イスラム教の教えでは、男性は4人まで妻を娶ることができます。
しかし、現在のエジプトにおいては、実際に2人以上の女性と結婚している男性は1%にも満たないようです。
エジプトは、伝統的に男性社会です。
客人が訪れると、父親や長男がお客様の訪問を高らかに宣言し、家族全員が協力して客が心から満足してもらえるように協力するのです。
…というのは、表向きの話。
現代エジプトの、特にカイロでは、どの家庭でも母親が絶大な権力を握っています。
しかし、あくまでも家庭内でのことです。
表向きは、男性が強い形になっています。
エジプトの地方では、血縁がものをいいます。
年上の男性の優越権は、まだまだ強いようです。
結婚も個人ではなく、家族と家族の結びつきと認識されています。
個々の家族は、独立した単位では考えられません。
婚姻によって結ばれた大きな一族の一員、という位置づけになります。
エジプトでは、出生も男児の誕生のほうが盛大に祝われます。
女児はさほどでもありません。
男性の数の多さは、経済力と、政治力と、一族の勢力の目安なのです。
一族の財産、つまり父親の財産は、家族の男性に引きつがれて管理されます。
特に長男は、最も重要視されています。
しかし、近年はこのような「父親中心の家族の結束」がエジプトでも崩れてきています。
その原因には、次のことがあります。
・出稼ぎや移民の増加
・農業以外の就職が増大
・父親に頼らずに経済力をつけることができるようになった
カイロなどの都会の女性は、父親や夫以外の男性から隔離されていることが問題を生んでいます。
エジプトの田舎の生活のような女性同士のつながりも失って、アパートに孤立してしまうのです。
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